カリグラフィーについて

西洋の書道といわれるカリグラフィーですが
その語源は
ギリシャ語のCALLI(美しい)とGRAPHEIN(書くこと)に由来しています

2000年以上も前に生み出されたアルファベットは
現代に至るまでに 様々な変化を遂げてきました
途中 どんなに時代や社会、文明が移り変わっても
その時代に生きる人間の手によって受け継がれ 守られてきたのです

しかし この美しい伝統技術も やはり機械化の波に飲み込まれ
印刷技術の発達に伴い 一時忘れられてしまいましたが
19世紀末に イギリス人によって再興されることになります


現在 日本でもカリグラフィーの美しさに惹かれ
手書きのカードを自分で書きたいという方が 増えてきていますが
このカリグラフィーには カードだけに終わらない
もっと 深く 人の内面を映し出す要素が含まれているようです

日本人にとって 必ず経験する書道
この道も 極めていけば ただ上手な字に留まらず
その文字から漂う その人の内面 気迫 風情、、、などを感じ取ることができます

欧米人にとってのカリグラフィー、日本人にとっての書の道
どちらも 文化や生活 民族としての個性 
そして 個人としての心のあり方を そのまま映し出すものなのでしょう


そこまで 大げさに考えなくても
美しく書かれた文字というのは 見る者にとっても こころを落ち着かせてくれます
また 書き手も まっすぐに文字に向かうそのひと時は
自分のこころと向かい合う時となるのでしょう


印刷技術が発明されるまで
文字は手によって書かれるのが当たり前でした
しかし 今は どんどん手書きから離れ
活字やワープロ、パソコンなど 機械によって生み出される文字が溢れています

文字からも個性が消えていこうとしているのでしょうか

人間の手によって書かれた文字は
暖かい表情を持ち 見る者に そのぬくもりを伝えてくれます

これからは ますます手書きの文字 手作りの物が見直されていくでしょう

その中で カリグラフィーも多くの人に受け継がれ
生活のひとこまを暖かく演出する手段となることでしょう

これから カリグラフィーをなさる方へ
        よりいっそう楽しむためのコツは、、、

単に文字の形をお手本にそって書くだけではなく
さらにもう一歩進めて
その文字の生まれた時代の社会的背景や歴史、
言葉、詩、メルヘンなどを調べたり 
その作者について調べたり
その時代にまでさかのぼって 文学や歴史を学んでいくと
さらに 深くカリグラフィーを楽しめることと思います

カードなどの生活の中で楽しむクラフトとして
さらには 西洋文明の観点から文字や本の歴史として
読むことだけでなく見て楽しむアルファベットのアートとして
または グラフィックデザインの世界
大切な言葉を読み手に伝える手書き文字の本来の役割として
または ブックバインディング(手書きの本)の製作
そして 美しい道具の世界もまた
あなたの興味を広げ 楽しみは尽きることがないでしょう

中世の修道院の中で 毎日 写本を日課としていた写字生たち
その写本の美しさといったら 芸術品といっても過言ではないと思います
バチカン美術館に収められている聖書は
そのような修道院の写字生によって書かれたものだったのでしょうか
あまりの美しさに足を止めて じっと見入っていたものでした

歴史を知りながら カリグラフィーを楽しむことは
ますます その魅力を知ることになると思います

どうぞ 興味のある方は まずは 一枚のカードからお始め下さい
そこから 広がる深い世界に きっと魅了されることでしょう。


(↑PC、フルブラウザー対応携帯のみ閲覧可)
(カリグラフィーについての説明文を「angelmomo」様のHPより引用させていただきました。)

058-371-5428